現在小平市内で小麦を作っている農家は数軒で、当会で使用している小麦は、小川町1丁目の立川さん(小川村開村から数えて14代目、祖父の時代から小麦を作付けしており、今年の栽培は約3反)で栽培された、「さとのそら」と呼ばれる小麦です。

「さとのそら」は、これまでの主要品種「農林61号」の欠点である熟期が遅い、稈が長く倒伏しやすい、コムギ縞萎縮病に弱いなどの特性が改善された品種として、平成23年度に千葉県の小麦奨励品種に採用されました。 「農林61号」と同じ通常アミロース含量の日本めん用品種で、原麦品質、加工適性も良好な品種です。

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はじめにうねをつくります。
60から70cmの間隔で、高さ約10cmの土を直線状に盛ってつくります、これをうねたてといいます。種はうねのところにまきます。うねとうねの間を溝(みぞ)といいます。

 

種まきは関東なら10月下旬から11月上旬、収穫は翌年の6月中旬になります。

 種子をまいたら10日から2週間ほどで地面に芽が出てきます。

 

種まきからおよそ1ヵ月後、葉が4つほどついた頃に麦踏みを始めます。麦踏は、麦の葉や茎を折り曲げ傷をつけることで、その後に出てくる茎葉を固く短くし。根張りが良くなって耐寒性が増すという効果があります。関東では、11月の下旬のころです。麦踏みは土が乾いた状態でかにの横歩きのように麦の上全体を踏んで歩きます。繰り返し、何度踏んでもかまいません。ぺしゃんこになっても心配いりません。麦の茎は4~5日もすれば立ち上がってきます。麦踏みをした小麦の草姿(そうし)は分けつが進んで生長してきます。3月中旬になると、草のような姿の小麦は茎が立ってきます。

小穂ができた穂は、春の到来とともに茎の中で生長して、葉鞘(ようしょう)から顔を出します。出穂です。関東では、4月中~下旬です。気温の上昇とともに、花が咲き穂に身を着けてきます。

収穫が近づくと、すずめなどの鳥たちも小麦の種子がいかに美味しいかを知っていて、
ミルク状の実を食べに来ます。収穫は、開花してから45日前後の時期になります。
入梅の時期を迎える頃になるので、その前に収穫できるようにします。昭和20年~40年代は、小平では小麦農家が沢山あり、この時期空には沢山のひばりがさえずっていましたが、小麦畑の減少に伴い、今ではひばりを見ることがなくなりました。

2021年は、雨が上がった翌日、67日にコンバインで小麦を刈取りします。コンバインの機械の中で、小麦と藁に分解し、小麦は機械の横に付いている袋の中へ、藁は束にしてそろえてヒモで機械が括って行きます。藁は、野菜の敷き藁にしたり、小川寺のお盆の松明等に利用します。今日は、13俵(玄麦で1俵60kg)の収穫です。

立川さん、撮影ご協力と、今年も美味しい小麦ありがとうございます。

立川さんです。

武蔵野手打ちうどん保存普及会